いままでは人のことのみ思いしに、おれが死ぬとはこいつたまらん
i江戸時代の狂歌師、蜀山人が詠まれた狂歌です。
「いままでは人のことのみ思いしに
おれが死ぬとは こいつたまらん」
死について、これまで考えたことがなかったわけ
ではないが、死ぬといえば自分以外の他人の
ことだとばかりに思っていたのに、このおれさま
が死ぬことになろうとは、こいつはたまらんわい。
自分の死について考えたことがありますか。
死は、心配しなくてもいずれはやってきます。
そのときの心構えが必要です。
円覚寺の朝比奈宗源管長さまが、
「苦しいときには、苦しんで苦しんで死んで
いきなさい。無理に苦しむまいと努力する
必要などは何もないのだから、苦しんで
死んでいけばいいのです。」と教えてくださって
います。
人間、生まれるときだって自分が生まれたい
ように生まれてきたのではないのです。
死ぬときだって自分の思うような形で死ぬこと
などはないに決まっているのです。
運良く眠るがごとき大往生ということになる
かもしれないし、あっさりポックリと逝ってしまう
かもしれません。その反対の場合もおおいに
考えられます。
関連記事