いままでは人のことのみ思いしに、おれが死ぬとはこいつたまらん

zento

2023年04月24日 20:38




i江戸時代の狂歌師、蜀山人が詠まれた狂歌です。


「いままでは人のことのみ思いしに  


おれが死ぬとは こいつたまらん」


死について、これまで考えたことがなかったわけ


ではないが、死ぬといえば自分以外の他人の


ことだとばかりに思っていたのに、このおれさま


が死ぬことになろうとは、こいつはたまらんわい。


自分の死について考えたことがありますか。


死は、心配しなくてもいずれはやってきます。


そのときの心構えが必要です。


円覚寺の朝比奈宗源管長さまが、


「苦しいときには、苦しんで苦しんで死んで


いきなさい。無理に苦しむまいと努力する


必要などは何もないのだから、苦しんで


死んでいけばいいのです。」と教えてくださって


います。


人間、生まれるときだって自分が生まれたい


ように生まれてきたのではないのです。


死ぬときだって自分の思うような形で死ぬこと


などはないに決まっているのです。


運良く眠るがごとき大往生ということになる


かもしれないし、あっさりポックリと逝ってしまう


かもしれません。その反対の場合もおおいに


考えられます。

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