災難に遭う時節には災難に遭うがよく候
2023年02月11日

良寛さんが晩年に残した語録の中で、とくに有名な
のが次の一節である。
災難に遭う時節には、災難に遭うがよく候
死ぬ時節には死ぬがよく候
これはこれ、災難をのがるる妙法に候
文政11年(1828)の越後三条の大地震に際し
良寛さんが、山田杜皐に送った手紙の一節で
あります。一読すると冷淡な言葉のようにみえるが
繰り返し読んでいると、良寛さんの温情が、深く
心中にしみ通ってきます。
逃げられる災難なら、それは災難というほどの
ものではない。避けられる死なら、それは死では
ない。絶対に防止できないのが、災難であり、
死それ自体でなないか。
逃げられないと悟ったなら、災難とひとつになろう
死とひとつになろう、それが災難をのがるる妙法
だと。