日本人に宗教心は乏しいのか

2014年06月06日

天台宗といえば比叡山、その天台座主の山田恵諦さんの著書を読んでいます。


その本の中の一節に、


「日本人は宗教心に乏しいのかとなると、そうではないのです。日本人は、本当は


信仰心、宗教心が篤いのです。また、日本という国は、宗教の門戸が非常に寛大


に、大きく開かれています。
 

 浄土宗の総本山の知恩院にしたところで、別に名刺をもっていかんでも、信徒で


なかろうと、誰でも参れる。


 明治神宮にしても同じことで、仏教徒であろうと、キリスト教徒であろうと、誰が


参るのも拒みはしない。


 5年ほど前、私も明治神宮にお参りしたことがありまして、宮司さんからお話を


伺ったことがある。その時におもしろいことを話してくださった。


明治神宮のあの大きな賽銭箱を大掃除しようということになって、中のものを全部


出して調べてみた。すると、外国の紙幣、貨幣がたくさん混じっている。詳しく分類


してみると、それが百三十ヶ国に及んだ。現在国連に加盟している世界の国が百七十


くらいですから、いかに世界中に及んでいるかがわかります。


 明治神宮と外国の人たちと、どんな関係があるのか。何にも関係がないわけです。


ところが、多くの人たちがここに参って、しかもお賽銭をあげている。明治天皇がどんな


人であるとか、何の神さんであるとか知らんでも、人間そのものの宗教心というものが


それをさせる。その現れであろうと思います」


人間の心の安定と現実の幸せを求める、というところに宗教の本源があります。宗教心


によってこそ、優しさや思いやり、感謝、礼節、善悪というような、人間の生き方として大切


なもののすべてが生まれてくるのです。



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