春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷しかりけり
2016年02月14日
曹洞宗の開山様、道元禅師のお歌に
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷し(すずし)かりけり」
というお歌がございます。
この歌は、「本来の面目」という題で歌われた歌です。この本来という意味
は、一番元の命の根源をいいます。仏性といいます。命のふるさとでしょう
か。その命のもとの姿と言ったらいいでしょうか。
面目というのは、たとえば面目をほどこしたとか、面目まるつぶれなどと
いいます。姿、形、中身のことです。
ですから、仏さまの姿、形、中身が「春は花、夏ほととぎす 秋は月 冬雪
さえて冷しかりけり」という姿、それが仏さまであると道元禅師はおっしゃって
おります。仏さまというと、お釈迦様や観音様などの仏像をイメージします。
しかし、そうではなく、気づく気づかないにかかわらず、こうして生かしていた
だいている命の姿、その背景を仏さまと呼ぶということなんです。
私たちが、眠っていても心臓が動いています。呼吸をさせていただいています。
食べたものが何とも思わなくても消化できる。すべての働き、その働きの背景
それ自身を仏さまと呼ぶのです。