極楽へ行かんと思う心こそ 地獄へおつるはじめなりけり
2022年11月07日
人生楽しいことが多ければ幸せに思いますが、そうは
いかないのが人生です。誰しも苦しみは持っています。
昔の人はおもしろいことをいいます。
腹に一もつ 背中に荷物 頭じゃ三三が苦労する
私たちは、苦労の種を熊手でかき集めて、背中のかご
の中に入れて背負っているようなものです。
しかし、よくよく考えてみますと、この苦しみの種は
私たち自身が、みずからの欲や執着から生まれて
きたものです。みずからの心の欲望や執着を抑える
ことができれば、苦しみから救われることになります。
室町時代の名僧、夢窓疎石は
「極楽へ行かんと思う心こそ
地獄へおつるはじめなりけり」と詩っています。
楽しいことばかりが極楽ではありません。我が身の
心がけが、極楽への道につながります。