今月の床の間には、建仁寺派前管長竹田益州老師の墨跡を掛けました。
2021年09月13日
今月の床の間には、建仁寺派前管長の竹田益州老師の
墨跡を掛けました。「三級浪髙うして魚龍と化す」です。
三級とは、昔中国の舜時代に堯という皇帝がおりました。
皇帝は、何とかして黄河の氾濫をしずめたいと思い、禹と
いう男に命令しました。禹は、命令をうけて、黄河の上流に
ある龍門山を、十三年かかって三段階にけずり、黄河の
流れをそこに導きました。それ以来黄河は氾濫することが
なく、その滝のことを龍門三級の滝と呼ぶようになったの
です。そして、毎年旧暦三月三日の頃になると、魚たちが
黄河をさかのぼって龍門の滝壺に集まってきます。
先を競って三級の滝を登ろうとします。その魚たちの中で
ひときわ大きな魚が、すごい勢いで登らんとします。
そして、その勢いで魚は、頭に角をはやし、雲を起こし
雨をよんで龍となって天に昇っていったというのです。
登竜門の語源になっています。